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花粉症発症のメカニズムは?アレルギーは免疫系の過剰反応?

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花粉症
冬の寒さが緩まり、やっと、暖かくなってきたと思っていたところで、飛びはじめるのが、花粉。

日本人の約4人に1人が花粉症であると言われていて、そのほとんどがスギ花粉によるものです。

関東などでは2月あたりから飛び始め、5月中頃まで猛威を振るう、スギ花粉。

その花粉症は、アレルギー反応と呼ばれる、免疫機能の過剰反応と言われていますが、具体的に、体の中でどのようなことが起こっているのでしょうか?

本日は、そのことについてまとめていきたい思います。

花粉症などのアレルギー発症のメカニズム

花粉症

アレルギー反応のメカニズム

まず、アレルギー反応を起こす要因となる抗原を”アレルゲン”と言います。

アレルゲンが体内に入ると、その抗原を特定するため、”マクロファージ”や”樹状細胞”と呼ばれる”抗原提示細胞”が抗原を取り込み、複雑なタンパク質をより単純な”ペプチド”へと分解します。

そして、この抗原ペプチドは、MHC分子(主要組織適合抗原)と結びつき、抗原提示細胞の表面に表出します。

同時に、これによって、リンパ球の一種であるT細胞が抗原を認識できるようになります。

具体的には、T細胞の表面のレセプター(受容体)が抗原提示細胞表面の抗原ペプチドとMHC分子の複合体を認識するということです。

これが、抗原提示細胞と呼ばれる由縁です。

また、B細胞もこの抗原提示細胞の一つで、B細胞の表面にもレセプター(受容体)があり、それが抗原と結びつき、同様にMHC分子と複合体を形成します。

T細胞、B細胞は、その生成の過程で、あらかじめ結びつくことが出来るレセプターの種類が決まっています。

また、一般的に、T細胞がB細胞に関与することによって、抗体が作られるのですが、全てのB細胞に関与できるわけではなく、T細胞と同じような抗原と結びつくことの出来る、近しい能力を有したB細胞のみを活性化させることができます。

そのような認識から、次にいきましょう。

抗原提示細胞表面の抗原ペプチドとMHC分子との複合体がT細胞の受容体と結びつくと”サイトカイン”という物質を放出し、B細胞を活性化させます。

その近しいB細胞が活性化されると、B細胞は抗体を生成できる”形質細胞”へと変化し、抗体を産生するようになります。

この産生された抗体は、血液中を流れ、皮膚や粘膜に存在する”マスト(脂肪)細胞”の表面にくっつき、新たな異物の侵入に対して、待機します。

この状態を”感作”と言います。

そして、この状態化において、再びアレルゲンが侵入すると、待機していたマスト細胞上の抗体のレセプターと結びつき、これによりマスト細胞を活性化、これを排除しようとヒスタミン、ロコトリエントという物質を放出します。

これが局所的な、様々なアレルギー反応として、発現されるのです。(即時型アレルギー反応)

このようなザックリとした知識から、次は花粉症について見ていきましょう。

花粉症のメカニズム

まず、花粉(アレルゲン)が目や鼻の粘膜から体内に入ります。

すると、”マクロファージ”や”樹状細胞”などの”抗原提示細胞”がその抗原を取り込み、抗原ペプチドへと分解、MHC分子と結びついて、抗原表面に提示されます。

そして、それに近しい受容体を有したT細胞がその抗原を認識し、同様な受容体を有するB細胞に対し、”サイトカイン”を放出して、活性化させます。

すると、そのアレルゲン特有の抗体が作られるようになり、血液を流れ、マスト細胞の表面にくっつき、新たな侵入に備えます。

そして、同じアレルゲンが侵入するとマスト細胞の表面レセプターにくっつき、”マスト細胞”はそれを排除しようと活性化し、炎症物質を放出します。

これが目の粘膜で起こると、目のかゆみ、充血、鼻の粘膜で起こると、鼻水、くしゃみなどの症状として発現します。

しかし、アレルギーに関しては、未だに謎が多く、医学的な解明には至っていません。

その為、どうすればアレルギーになるのかは詳しくは分かっていませんが、血液中の抗体(IgE)の量を調べたり、皮下に直接アレルゲンを投与することにより、”感作”の状態をある程度知ることが出来るような検査はあるようです。

しかし、その量が多いからと言って、必ずしもアレルギーとして発現するとは限らず、色々な複合的要因が重なり、ある一定以上に達すると発現する”アレルギーコップ”という表現がよくなされます。

また、衛生仮説というのもあります。

衛生仮説

これは、エフェクターT細胞の中の”Th1(Tヘルパー1)細胞”と”Th2(Tヘルパー2)細胞”という二つの細胞のバランスを重視する説です。

上に書いてきたことをもう少し詳しく書くと、T細胞というのは心臓の上辺りにある胸腺から作られ、前駆細胞がその中で徐々にT細胞へと成長し、その完成したT細胞が胸腺から出たものをナイーブT細胞と言います。

これは、すでに、独特な受容レセプターを有しています。

ナイーブT細胞が、抗原提示細胞によって、エフェクターT細胞へと分化します。

それは、細菌・ウィルスに対してであれば”Th1”、花粉やホコリ、ダニなどのアレルゲンに対しては”Th2”へ分化し、それぞれ最適な免疫応答へと誘導されます。

そして、人間が生まれる時には、この”Th1”が劣勢状態になります。

というのも、母親との間で拒絶反応が起こらないようにするためです。

そして、誕生し、成長する過程で、様々な細菌やウイルスにさらされることによって、Th1とTh2とのバランスが改善されていくのです。

しかし、昨今、必要以上に過保護になり、このような細菌やウイルスにさらされることが少なくなり、その場合、Th2優位の状態で成長してきてしまいます。

その、Th2優位の状態であることが、アレルギー患者を増やしている要因であるという説です。

先程も申しました通り、エフェクターT細胞だけがアレルギー疾患に関与しているわけではなく、根幹部分は支持されているものの、もっと複合的に見ていく必要があるようです。

もう一つ、面白いことをご紹介。

悪いことだけではない!?

2015年12月にスペイン国立がん研究センターが、喘息患者がすい臓がんにかかるリスクの調査結果を発表した。それによると、すい臓がんの患者1267人と健康な人1024人の計2321人を対象に、喘息患者が占める割合を調べた結果、喘息の人がすい臓がんにかかるリスクは、喘息ではない人に比べ36%低かった。特に17年以上の長期間喘息を患っている人では61%も低くなった。

2015年4月には、米の南カリフォルニア大学のチームが、アトピー性皮膚炎などのアレルギーのある人は、そうでない人に比べ、大腸がんを発症するリスクが14%低いという結果を発表した。危険度を人種ごとに比較した念入りな調査で、日系米国人は13%減、白人は15%減、黒人は19%減、ハワイ先住民は28%減といった具合だ。

2015年9月には、東京大学のチームがすべてのがんの死亡リスクと花粉症との関係を調べた報告を発表した。群馬県内の40~69歳の男女8796人を8~15年間追跡し、がんを含む全疾患の死亡リスクと花粉症の関連を調べた。すると、花粉症の人は全疾患の死亡リスクが43%低く、特にがんは52%も低かった。

こうした多くの研究をみると、アレルギー体質の人にも「予防効果」のないがんがあり、肺がんや乳がん、膀胱がんなどはアレルギーのない人と変わらないという。また、アレルギー体質の内容にも差があるようだ。2011年のデンマーク・コペンハーゲン大学の研究によると、ニッケルなどの金属や化学物質に触れると発作を出やすい「接触性アレルギー疾患」の人は、ほかのアレルギーの人よりがんの発症率が低く、とりわけ皮膚がんになりにくいという。

引用:花粉症の人は、がんになりにくいってホント?

このように、免役反応が過剰ということは、ただ悪いことだけではないようです。

まとめ

というわけで、素人によるアレルギー反応、花粉症症状の発現についてのあれこれでした。

まぁ、免疫の過剰反応により起こるという一般的な認識でOKだと思います(笑)

この他にも制御性T細胞がアレルギー反応を抑制するのに大きく関わっているのではないかなど、面白そうなものもあります。

この制御性T細胞は、がんが自らへの免疫機能を低下させるように働かせていることに大きく関わっているようです。

しかし、制御性T細胞の影響を取ってしまうと、自分の細胞にも攻撃してしまうという諸刃の剣で、人間の体ってよく出来てるなぁーと思いますねぇー。

今後の研究に期待ですね。

どうでもいいですが、自分はブタクサアレルギーで、中学ぐらいまで秋になると目が赤くなっていたのですが、高校ぐらいからその症状がなくなり、今に至りますが、これはどういうことなんでしょう?

成長過程で、Th1とTh2のバランスがイイ感じになったのかな?

それとも、制御性T細胞がイイ感じに働いているのかな?

まぁ、よく分からんけど、私の細胞がブタクサさんと握手したということでしょう。(?)

それでは最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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