日本にある桜はソメイヨシノが8割と言われていますが、桜の種類は多岐にわたり、その数はなんと600種類以上です。
そして、その殆どが、日本に古くから自生する野生種同士の交配により生まれました。
ソメイヨシノも江戸彼岸桜(エドヒガンザクラ)と大島桜(オオシマザクラ)の交配種と言われています。
そして、その日本に古くから自生する野生種は9種あり、その原種の特徴によって、それぞれグループ分けがなされています。
その原種とは、山桜、大山桜、大島桜、霞桜、江戸彼岸桜、豆桜、高嶺桜、丁字桜、深山桜を言います。
それでは本日は、日本に自生する桜についての分類をそれぞれ代表種を取り上げながら、まとめていきたいと思います。
日本の桜の分類
ヤマザクラ群
奈良の吉野桜が代表するように、古くから日本人にとっての桜といえば、この山桜を言います。
そして、その山桜と近しい特徴、性質を持つ桜の種類はヤマザクラ群に分類されます。
代表種としては、山桜、大山桜、大島桜、霞桜が日本に古くから自生する野生種で、特に大島桜は、多くの園芸品種の母種とされています。
それでは、代表種の特徴を見ていきましょう。
ヤマザクラ(山桜、吉野の桜)
- 宮城より西側の本州、四国、九州に分布
- 西日本でも見かけることが多い桜
- 樹高~30m程度
- 寿命が長い
- 花と葉が同時に咲く
オオヤマザクラ(大山桜、紅山桜、蝦夷山桜)
- 北海道、北陸、中部地方以北、山陰、四国などに分布
- 樹高~20m程度
- ヤマザクラより花びらや葉が大きいことが名前の由来
オオシマザクラ(大島桜)
- 関東から南にかけて、島嶼の海岸沿いから山地にかけて多く分布
- 特に、伊豆諸島に多いことからこの名前がついた
- 樹高~15m程度
- カスミザクラの島嶼型
- ソメイヨシノなどの多くの園芸品種を生み出したサクラ
- ヤマザクラより葉に細かい毛がない
カスミザクラ(霞桜)
- 北海道、本州、四国にかけて分布
- 樹高~20m程度
- ヤマザクラより花がやや小さく、わずかに紅を帯びた白色の花を咲かせる
ヤマザクラ群についての特徴や名所に関する詳しい内容はコチラの記事をチェック!!
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エドヒガン群
江戸彼岸桜という日本に古くから自生する野生種と近しい特徴、性質を持った桜の種類はエドヒガン群に属します。
ちなみに、ソメイヨシノもこのグループに属します。
江戸彼岸桜は、樹齢が長く、花を多く咲かせ、葉よりも先に花が出る特性をもっているため、この遺伝子は園芸品種には是非とも取り入れたい、嬉しい性質だと言えます。
エドヒガン群に属する園芸品種で有名なものは、八重紅枝垂、紅しだれ、ソメイヨシノなどです。
それでは、代表種の特徴を見ていきましょう。
エドヒガン(江戸彼岸、立彼岸、東彼岸、婆彼岸)
- 本州・四国・九州、朝鮮半島に広く分布
- 樹高~25m程度
- 春の彼岸に江戸で花を咲かせることが名前の由来
- 桜の中では長寿の種で樹齢2000年の桜が存在(神代桜)
- 花が多く咲く
シダレザクラ(枝垂桜、糸桜)
- 本州から九州にかけて分布
- 自身の重みで枝垂れる桜の総称
- ヤエベニシダレやベニシダレなどが有名
エドヒガン群、枝垂れ桜、八重桜、ソメイヨシノについての特徴や名所に関する詳しい内容はコチラの記事をチェック!!
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野生種は、中国の冬桜花、チベットのヒマラヤザクラなどとされています。
それでは、代表種の特徴を見ていきましょう。
ヒカンザクラ(緋寒桜、元日桜、台湾桜)
- 日本の沖縄など南西諸島に分布
- 沖縄で桜といえばこの桜を言う
- 樹高~5m程度
- 別名カンヒザクラ
- 中国南部や台湾にルーツをもつ桜
- 南国の花らしく耐暑性のある桜で、寒さには弱い
カンザクラ(寒桜)
- 熱海に多く分布
- そのことからアタミザクラ(熱海桜)とも呼ばれる
- 樹高~5m程度
- 小輪でピンク色の一重の花を咲かせる
- 暖かい場所では1月中旬頃から花を咲かせる
ヒカンザクラ郡についての特徴や名所に関する詳しい内容はコチラの記事をチェック!!
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マメザクラ群
日本に古くから自生する豆桜、高嶺桜(タカネザクラ)に近しい特徴、性質を持った桜の種類はマメザクラ群に属します。
上に書いたように、2つの桜の特徴により、マメザクラ群は、豆桜系と高嶺桜系の2つの系統に分かれています。
それぞれ、豆桜と高嶺桜の特徴を見ていきましょう。
マメザクラ(フジザクラ、豆桜、箱根桜)
- 富士山近辺やその山麓、箱根近辺等に分布
- そのことからフジザクラ(富士桜)やハコネザクラ(箱根桜)とも呼ばれる
- 樹高~10m程度
- 大きく育たなくとも花を咲かせる
- 寒さに強い
フユザクラ(冬桜、小葉桜)
- ヤマザクラとマメザクラの交配種
- 中輪で白~淡いピンクの一重の花を咲かせる
- 冬と春の2回開花するのが特徴
- 葉っぱが小さいことからコバザクラ(小葉桜)とも呼ばれる
タカネザクラ(高嶺桜、峰桜)
引用:ウィキペディア(Licensed under パブリック・ドメイン via ウィキメディア・コモンズ.)
- 本州中部より北側に分布
- 山の山腹を好み、南にいくほど高山に生息
- 樹高~10m程度
- 平地では早く開花しますが、山地では5月下旬~6月頃に開花
マメザクラ群についての特徴や名所に関する詳しい内容はコチラの記事をチェック!!
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チョウジザクラ群
日本に古くから自生する丁字桜(チョウジザクラ)に近しい特徴、性質を持った桜の種類はチョウジザクラ群に属します。
それでは、代表種の特徴を見ていきましょう。
チョウジザクラ(メジロザクラ、フジモドキ)
- 主に本州の東北から南の太平洋側に広く分布
- 一部九州でも見られ、山地を好む
- 樹高~7m程度
- 3月下旬から4月下旬にかけて小さく大人しい花を咲かせる
- 花を横から見ると「T」の文字に見えることが名前の由来
オクチョウジザクラ
- 青森県から滋賀県までの日本海側に分布
- 樹高~5m程度
- チョウジザクラと比べ、花が大きく、葉やガクにあまり毛が無い
ミヤマチョウジザクラ
- 長野県、富山県、福井県、滋賀県の一部に分布
- オクチョウジザクラと比較すると、萼筒や葉柄の毛がまばら、萼筒の基部がふくれ、花が小さい
ミヤマザクラ群
日本に古くから自生する深山桜(ミヤマザクラ)に近しい特徴、性質を持った桜の種類はミヤマザクラ群に属します。
日本には1種しか存在していません。
ミヤマザクラ(深山桜、シロザクラ)
- 北海道から九州にかけて広く分布
- 樹高~10m程度
- 5~6月の遅めの時期に開花し、白い花がまとまって咲く
- そのことからシロザクラとも呼ばれる
まとめ
というわけで、日本に自生する桜についての分類でした。
他にも、シナミザクラ群というグループも存在するようですが、これは中国の桜で日本には自生していないので、スルーしました。
このシナミザクラ(別名カラミザクラ)は、桜の実が食用とされていることが有名です。
あと、最後の方は、写真も動画も全然なかったので、なんのこっちゃ分かりませんが、桜といえば、ヤマザクラ、エドヒガン、枝垂れ桜、八重桜、ソメイヨシノ辺りを抑えておけばいいかと。。。
逆に、それらの記事は別でしっかり書いておりますので、目を通して頂ければ、それなりに楽しめるかと思います。
しかし、桜はやはり実際に見てみるのが一番ですので、ぜひ見に行って下さい。
お近くの桜の品種なども調べてみると、意外と珍しいものかもしれませんよ!!
それでは最後まで読んで頂き、ありがとうございました。