皮膚の真皮構造〜傷・シミ・しわの再生・回復・修復が難しい理由〜

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皮膚組織は、表皮真皮皮下組織という3つの層からなります。

きれいな肌を作りたいと思うなら、まず、自分の肌がどのようなもので構成されているかを理解することがとても重要です。

そして、その組織がどうなって、今のような肌の状態になっているのかをある程度自分で判断できるようになりましょう。

同じように、セラミドMNFヒアルロン酸コラーゲンなどの化粧水に含まれる成分がどこで、どのような働きをしているのかを理解すれば、自分である程度化粧品などを的確に選べるようになりますし、選ぶのも楽しくなると思います。

この記事では、皮膚組織の2層目に位置する真皮層にスポットを当て、肌の弾力やハリがどのようにして生まれるのかや、真皮にまで及んだ傷やしわはどうして治りづらいのかを、真皮の構造に着目し、説明していきたいと思います。。

真皮層についてのあれこれ

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真皮層の構造は?

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真皮は基底層に面して表皮のすぐ下にあり、乳頭層網状層の2層構造です。

肌の大部分を占めるのがこの真皮層で、その厚さは表皮の15〜40倍で、1〜2mm程です。

肌の弾力やハリにとても重要な組織で、その弾力やハリとは主に、この組織を構成するコラーゲンなどの線維状タンパク質です。

それでは具体的に、各層の役割を見ていきましょう。

乳頭層

表皮の基底層で隔てられ、そのすぐ下にあるのがこの乳頭層で、乳頭層は真皮の約1/5の厚さです。

膠原線維(コラーゲン線維)と弾性線維(エラスチン線維)とが隙間の多い構造をしています。

そして、その真皮の表面は波打っており、それが表皮と噛み合い、繋がっています。

この突出部を乳頭と言います。

この凹凸により、表皮との接触面積が大きくなり、それは、この乳頭部にはそれぞれ毛細血管が走っており、そこから効率的に栄養分を補給することで、基底層の表皮細胞の細胞分裂をサポートしています。

また、熱さなどを感じ取る神経も走っております。

網状層

真皮層の大半を占めるのがこの網状層です。

乳頭層とは違い、膠原線維(コラーゲン線維)と弾性線維(エラスチン線維)とが密に詰まった構造をしています。

そして、それらを作り出している、基となるのが線維芽細胞です。

さらに、その隙間には同じ細胞外マトリックスであるゲル状の基質(プルテオグルカン)を含み、それらが絡み合いながら結合することにより、肌の柔軟性と弾力性が生まれているのです。

プルテオグルカンとは、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸などで、それらは水との高度な結合能を有し、線維外を湿潤液で満たし、栄養や水分、代謝物、老廃物などの運搬や、細胞の機能や移動に関する調節の役割をしています。

具体的には、ヒアルロン酸は、1gあたり6000ml=6Lの水を保持する能力があると言われています。

また、細胞外マトリックスとは、細胞外に存在する超分子構造体で、細胞同士の結合や細胞増殖などに関与する因子です。

ここでは、コラーゲンなどの線維状タンパク質やブルテオグルカンなどの基質がそれに当たります。

網状層には他にも、血管や神経、毛包、脂腺、汗腺もあり、汗の分泌により体温を調節したり、皮脂の分泌により皮脂膜を形成し、肌表面からの水分の蒸散を防ぐ働きもあります。

真皮層の乾燥重量70%を占めるのがコラーゲン

ここで重要なのが、真皮を構成するものの殆どが細胞ではなく、コラーゲンやエラスチンなどの線維状タンパク質だということです。

その為、表皮のように、1ヶ月単位での細胞の生まれ変わり、ターンオーバーなどはなく、酵素により分解され、線維芽細胞から新たに生成されるまで、約2~6年かかるといわれます。

つまり、真皮にまでダメージの及んだ傷などは自力での回復がとても難しいということです。

また、40代以降になると、新たに生成されることがなくなり、それがシワやたるみの原因になるのです。

肌のたるみの原因は?

寝具のベッドで例えましょう。

ベッドは買った当初はその表面は平らで、押すとクッションやスプリングにより、通常の形にすぐ戻され、平らな表面を保ちます。

しかし、これを長く使っていると、自分の寝る癖など、よく使う場所のスプリングやクッション性など、押し戻す力が弱まり、徐々に凹凸が生じてきます。

それを使い続けると無理な体勢で眠ることになるため、腰痛や肩こりなどを引き起こす可能性があります。

そして、これと同じように、肌も真皮層の70%を構成するコラーゲンなどの線維状タンパク質が中からスプリングやクッションのように働くことにより、若い頃はハリがあり、弾力性抜群の肌なのですが、これがベッドと同じように、使っているうちにだんだんと中のクッションが変質したり、スプリング機能が劣化し、それにより押し返す力が弱まり、凹凸ができます。

これがシワやたるみとなって現れてくるのです。

そして、その肌を内側から支える線維状タンパク質を劣化させるものの、一番の原因が紫外線です。

特に、紫外線の中のUVAは、波長が長いことから真皮層まで及び、コラーゲンなどの線維状タンパク質を変性させ、スプリングやクッション性能を劣化させることにより、凹凸を生じ、それがシワやたるみの原因です。

また、UVAは、一年を通して降り注ぎ、雲やガラスなども透過するので、年間を通じたケアが必要です。

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また、上に書いた通り、真皮層の線維芽細胞は、コラーゲン、エラスチンなどの線維状タンパク質だけでなく、ヒアルロン酸などの基質をも生成する源で、これが40歳以降老化による衰えで、線維状タンパク質や基質を生成しづらくなります。

これもまた、シワやたるみの原因になります。

そして、この線維芽細胞を老化させる一番の要因もまた紫外線なのです。

その為、肌老化を防ぐ上で、紫外線対策は欠かせない要素なのです。

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他にも、加齢による表情筋の衰えにより、皮下脂肪を支えられなくなり、たるみます。

また、その逆で、皮下脂肪が加齢による代謝機能が低下することにより、増え、それを支えられずにたるむということも考えられます。

これらは、表情筋を鍛えることで、それによる脂肪燃焼と筋トレ効果で、ある程度改善するのだそうです。

でも、個人的に、この表情筋を鍛える過程で、確かにたるみは改善されるかもしれないけど、逆にそれでシワができちゃうんじゃないかとも思いますねぇー。 

そもそも、顔の表情筋は30種類以上あるので、それを素人がその部位をピンポイントに効率的に鍛える方法をすぐに会得できるなんて、そもそも難しいと思うんですよねぇー。

顔のマッサージも同様に、素人が美味くやるなんて難しいと思います。

そもそも、基本的に、顔はこすったり、不必要に、無闇に触るのは避けたほうが良いと思います。

というのも、その摩擦が悪影響しか生まないからです。

顔洗う際や、化粧水をつけたり、薬を塗ったり、化粧をしたりする時以外は、基本的に、触らないほうがイイです。

これは紫外線を受けて日焼けが起こるのと同じ原理で、肌への刺激が肌表皮のケラチノサイトへの刺激となり、メラニン生成を促して、それがシミへとつながりかねないです。

もしかすると、毎日行うスキンケアの蓄積が、今のシミを生んでいる可能性すらあるのです。

自分で調べて、それを実践して、効果が出ているならそれは良いことだと思いますが、基本的に、自らに備わる肌の代謝機能などを正常に働かせることが何よりも重要だと思います。

これは、肌に限ったことではありません。

それを前提に、肌に有効な成分が、それ自体が肌のどこで、どのように働いているのかを理解して、自分の弱い部分に対し、化粧品などを補うのが良いかと。

そもそも肌のトラブルって、外的要因だけでなく、内的要因が原因のことも多いですし、そして、それらが肌のターンオーバーなどの機能を狂わせたりしますからね。

自分に備わる機能を最大限に発揮できる環境を、自分で用意することが何よりも重要です。

それがシワやたるみ、シミなど、全ての肌トラブルの予防につながるのですから。

そして、真皮層の肌トラブルというものは、基本的に上に書いた理由から自力での回復が困難ですので、肌老化を引き起こす主要因である紫外線対策を徹底しましょう。

真皮層の肌トラブルは、起こってからではもう遅いということですね。

ところで、シミの元となるメラニンのほとんどは、皮膚の基底層、浅い部分にありますが、実は皮膚の奥深くにできる手強いシミがあることをご存知でしょうか?

そのシミは「ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)」と呼ばれています。

それでは、次は、真皮層に出来るシミ「ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)」について、まとめていきます。

ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)の特徴

①真皮層にできるADM(後天性メラノサイトーシス)とは?

比較的浅い部分にできるシミは肌の新陳代謝(ターンオーバー)が一定のリズムで行われ、メラニンを排出することでシミの色が徐々に薄くなり解消しますが、ADMは年々経過しても全く解消することがないのです。

発症は早くて思春期以上、多くは20から30歳以上に見られます。

色の濃さや大きさ如何に関係なく、該当する年齢の人の肌にほぼ存在すると言われる一般的なシミです。

本来、真皮にはシミの原因となる色素細胞メラノサイトは存在しないのですが、ADMは一度発症するとほぼ永久的に色素を持ち続ける手強いシミです。

肝斑老人性色素斑ソバカスなどは皮膚の浅い表皮部分に存在しますが、ADMは皮膚の深い層=真皮に存在するシミです。

そのため、治療時のレーザーのエネルギーが奥まで行き届きにくく、高い出力で照射する必要があります。

また、紫外線に関係なく生じるシミのため、肝斑や老人性色素斑のように紫外線の多い夏場にシミの色が濃くなることがないことも特徴です。

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②ADMの発生箇所

・頬骨の高い位置(特に女性に多く見られます)

・額両端・こめかみ

・上瞼外側・下瞼

・鼻根部・鼻翼

色は灰色褐色灰褐色濃褐色青みがかった褐色などさまざまで、形状は円形が多く見られます。

重度になると、色素同士がかたまりとなって見え、広範囲に見えてしまうこともあります。

また、特徴が肝斑と似ている場合があるため、混在すると非常に判別が難しくなります。

③診断方法として・・・

発症年齢や症状から典型的なものは診断することが可能です。

色素斑が大きい場合には、肝斑と見分けがつかない、もしくは難しい場合があります。

皮膚生検を行い、真皮内にメラサイトの存在が確認されればADMと確定されます。

治療法と予防法

表皮基底層のメラニンの沈着と真皮内にメラノサイトの増殖が見られるため、奥深い真皮層まで行き届く「Qスイッチアレキサンドライトレーザー」が有効です。

1億分の数秒という短い時間で照射されるため、高いエネルギーであってもお肌へのダメージは少なくて済みます。

通常の単純なシミに関しては、1回の照射で済みますが、ADMは数回の照射を必要とすることが多く、真皮内で壊れたメラノサイトが吸収されるまでには時間がかかるため照射後3ヶ月から半年くらいかけて徐々に解消されていきます。

レーザー照射後、患部には瘡蓋ができますが、この瘡蓋がはがれ落ちるまでに約10日間必要とされています。

また、照射後3〜4週間目あたりに炎症後色素沈着現象、いわゆる戻りジミが見られることもあります。

1ヶ月は紫外線に当たらないように工夫した生活を送ることが望ましいです。

他には、微弱な電流を使ってビタミンC誘導体プラセンタなどの美容成分を肌の奥へと浸透させる「イオン導入治療」もターンオーバーを活性化させ、活性酸素の除去にも効果があり、真皮層のシミ予防になります。

あおよこ皮膚科クリニック

まとめ

というわけで、真皮についてのあれこれでした。

コラーゲンやヒアルロン酸を生み出す線維芽細胞は、紫外線の影響により、萎縮し、老化が進みます。

この繊維芽細胞の老化をいかに食い止めるかが、ハリ・弾力のある肌を保つのにとても重要です。

そして、皮膚の奥深い真皮層に発生するAND(後天性真皮メラノサイトーシス)は、一度発症すると長年解消しません。

直接的な原因ではなくとも、紫外線は季節や天候など関係無くお肌へと浴びされ、お肌はダメージを受けてしまい、あらゆるお肌トラブルにも繋がります。

その他、ストレスや睡眠不足、偏った食生活などもお肌にとって良くない要因です。

このような不穏要因は避け、お肌を健康へと導くこともADM(後天性真皮メラノサイトーシス)、ひいては肌老化の予防法といえます。

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それでは最後まで読んで頂きありがとうございました。

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