今年の秋分の日は、9月23日(日)です。
毎年、秋の連休シルバーウィークを楽しみにしている方も多いでしょうか。
秋分の日の前後の休みが繋がって連休となりますが、この秋分の日とはどのようなものかご存知でしょうか?
「国民の休日になる」ことは一般的に知られていますが、どんな日で何をする日なのかなど、知らない方もいらっしゃるかと思いますので、秋分の日について、あれこれご紹介いたします。
秋分の意味と秋分の日の墓参りや食べ物の由来
秋分とは?
秋分とは、二十四節季上での二至二分(夏至-冬至、春分-秋分)のひとつで、今のような気象衛星がなかった時代において、季節を把握する上でとても重要な要素の一つでした。
旧暦上では、この二至二分を、それぞれ、2月(春分)、5月(夏至)、8月(秋分)、11月(冬至)と大まかに規定することで、月の運行を基にした暦法と実際の季節とのズレを補完する指標でした。
しかし、二十四節季は中国の大陸性の気候をもとに作られているため、日本のそれとはそぐわず、それを埋めるために、日本独自の”雑節”というものが生まれました。
話を戻しまして、一般的には、上の図のように、夏至-冬至は太陽の高さが最も高く、低くなり、春分-秋分は太陽の高さがその丁度真ん中になるとされ、昼と夜の長さが同じになるとされています。
しかし、春分-秋分は、実は、昼のほうが15分ほど長いようです。
というのも、今日の日の出、日の入りの定義が、太陽の上辺が地平線と重なることを言うので、丸々太陽一個分、昼の方が長く運行することになりますし、この他にも大気中を通る光の屈折などから通常よりも私達の目には太陽が浮き上がって見えることも影響し、昼のほうが長くなります。
秋分はなぜズレる?
黄道十二星座上の太陽の軌道から導かれる理想的な太陽の軌道を”黄道”と呼ぶのですが、二十四節季は、この黄道上で、太陽の位置が15度進む毎に季節が一つ進むという考え方です。
太陽の公転周期は約365.24日であり、毎年約0.24日ずつ、春分を迎えるのが早まります。
それを補正するため、400年に97回の閏日が挿入され、これにより誤差が年に約25秒程に縮まり、これは約3320年に1日、ズレが生じるレベルです。
なお、この誤差の修正についての事は、まだなにも決まっていないようです。
このように、毎年約0.24日進んでいくことと、400年に97回挿入される閏日との微視的な影響から新暦上で秋分がズレるのです。
国民の祝日:秋分の日はいつできた?
秋分の日は、1948年に公布・施行された国民の祝日に関する法律により制定されました。
(昭和23年法律第178号)同法第2条によると「祖先を敬い、亡くなった人々を偲ぶ日」とされています。
また、休日扱いになったのは1878年8明治11年)改正の年中祭日祝日ノ休暇日ヲ定ム(明治11年6月5日太官布告第23号)による秋季皇霊祭から続き、1947年(昭和22年)に廃止される休日ニ關スル件(昭和2年勅令第25号)までこの名称でした。
9月22日が秋分の日となった2012年は、明治29年から116年ぶりとなりました。
しかし、毎年22日というわけではなく、年により変わります。
ですので、法律で9月なん日と決めることができません。(秋分の日だけではなく、建国記念日も明確には決まっていません。)
秋分の日は大体が、9月23日あたりということは言えます。
しかし、2年後以降の秋分の日は、何日になるのかが明確になっていません。
その理由としては、国民の祝日に関する法律でも秋分の日は秋分日と記載されるのみで、月日は伏せられているからです。
決め方に関しては、国立天文台の作成する暦象年表に基づいて閣議決定された翌年の秋分の日が毎年2月の第一平日に発行される官報により公表されるものとなっています。
秋分の日は翌年までは何日になるか把握できますが、翌年以降に関しては未定というわけですね。
ところで、秋分とは、お彼岸の中日ということで、お墓参りをするなんて方も多いのではないでしょうか?
お彼岸とは?
お彼岸は、春分、秋分を中日とし、その前後3日間です。
彼岸とは、仏教用語で、煩悩や欲から開放された極楽浄土をいいます。
その反対の言葉は、此岸(しがん)で、これはまさに、煩悩や欲まみれの私達の住む世界をいいます。
そして、彼岸と此岸を隔てた川を渡る方法を”六波羅蜜”といい、中日には先祖に感謝しますが、残りの日は六波羅蜜を行うとされています。
六波羅蜜はサンスクリット語で、彼岸へ渡ることを意味し、此岸に生きていながら彼岸に渡る智慧を得る方法とされています。
六波羅蜜は以下になります。
・布施(ふせ)波羅蜜・・・お布施をすること
・持戒(じかい)波羅蜜・・・戒律を持って生きること
・忍辱(にんにく)波羅蜜・・・堪え忍ぶこと
・精進(しょうじん)波羅蜜・・・努力すること
・禅定(ぜんじょう)波羅蜜・・・雑念を除き、物事に集中すること
・般若(はんにゃ)波羅蜜・・・前五つの波羅蜜の実践によって得られる智慧のこと
般若(はんにゃ)波羅蜜は、何年も修行を積んだ僧侶がやっとたどり着ける境地のようです。
この行事としての彼岸は、極楽浄土が西方にあるとされていることから、太陽が真東から昇り、真西に沈む春分と秋分に、西方に沈む太陽を礼拝し、その遙か彼方にある極楽浄土に思いをはせたことが始まりのようです。
ご先祖を近くに感じられるという意味から、お彼岸の中日にはお墓参りをし、ご先祖を供養するということが慣習となっております。
秋分の食べ物は?
秋分の日はお彼岸の中日というこで、おはぎを食べることが主流のようです。
その背景として、おはぎに使われている小豆、この小豆の赤色は災難から身を守るという効果があると言い伝えられています。
これは、邪気を払うという信仰や、先祖供養が結びつき江戸時代の庶民の間で広まった習慣と言われています。
ちなみに、春には牡丹の花に見立てて牡丹餅を、秋は萩の花に見立ててお萩と呼びます。
牡丹餅とお萩は、いずれも餅米をあんこで包み作られていますので、呼び名が違うだけで全く同じものです。
まとめ
連休がとりやすいシルバウィーク期間中にある秋分の日は、ただ休みを満喫するだけではなく、おはぎを作って皆さんで先祖供養のためにお墓参りへ出向いてみるのも良いですね。
牡丹餅は春分の日、おはぎが秋分の日ですよ、間違えやすいのでこれを機に是非覚えておいてください。
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました。