クラシック 音楽

ヘンデル作品の特徴と代表曲〜オラトリオ「メサイア」:ハレルヤ・コーラス〜

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ヘンデルはバロック後期に活躍した作曲家で、同じくバロック後期のバッハが音楽の父と称されるのに対し、ヘンデルは音楽の母などと称されることもあります。

「ハレルヤ・コーラス」「見よ、勇者は帰る」「水上の音楽」など、曲の名前は知らなくても、誰しも一度は耳にしたことがあるでしょう。

そんなわけでこの記事では、偉大な作曲家・ヘンデルについて、基本的なことをあれこれまとめていきます。

ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル

Handel

バロック時代の作曲家・ヘンデルとは?

上でもちょろっと書きましたとおり、ヘンデルはバロック後期の作曲家です。

バッハと同じ1685年にドイツで生まれました。

ドイツ出身ですが主にイギリスで活躍し、イギリスに帰化した作曲家です。

特にオペラやオラトリオの作曲によって知られています。

バロック音楽とヘンデル

バロック音楽は、1600年頃から 1750年頃までの約150年間の西洋音楽のことをいいます。

ヘンデルは1759年に死去しましたので、この頃にはすでに古典主義音楽が始動し始めていたと言えます。

ちょうどこの頃人々は、絶対主義体制下にありました。

しかし、科学の発達や思想の変化にしたがって、絶対主義に対して疑問を持ち始めていました。

人々は、神や神への信仰の代りに、心のよりどころを人間の理想に求めようとしていたのです。

ヘンデルもその人々の気持ちに寄り添うようにドイツ、イタリア、イギリスと、当時のヨーロッパの主要国を歩いてオペラなどの大衆に密着した歌劇運動に身を投じていきました。

だからでしょうか?ヘンデルの作品は、バロック音楽でよく演奏されたポリフォニーの要素を持ちながらもややホモフォニーの色彩が強いといえます。

ポリフォニー:複数の異なる動きの声部が協和しあって進行する音楽

ホモフォニー:古典派以後に使われる旋律と伴奏からなる音楽

ヘンデルはバロック音楽を飛び越えたホモフォニックな作品を書いたと思えば、今度はバロックの伝統的な様式に立脚した作品も書いてしまうような不思議な作曲家でした。

ヘンデルといえばオラトリオ「メサイア」が有名ですが、「サウル」は「メサイア」より劇的でスケールがとても大きく旧約聖書「サムエル記」をテーマにした、実に雄渾なオラトリオです。

もともとオラトリオはバロック音楽を代表する、日本語では「聖譚曲」と呼ばれる楽曲形式のひとつであります。

本来、オラトリオは、教会で演奏される曲でしたが、ヘンデルは、大規模なオペラ劇場で演奏します。

ヘンデルは、新しい音楽を生み出す傍ら、旧作を再利用することにより驚異的なスピードで作品を世に送り出します。

そしてホモフォニックの色彩がやはりでていたのでしょう。

のちに古典派音楽のベートーベンはヘンデルを絶賛し、ハイドンはメサイアを目指して「天地創造」を作り、モーツァルトはヘンデルの素材を自作に利用したりしています。

ヘンデルが残した美しい旋律や量感に満ちた合唱の用法、劇的な構成は、後世の音楽にとって、とても役立つものとなりました。

余談ですが、年の瀬のベートーベンの交響曲第九番は日本の年中行事ですね。

しかし、欧米では交響曲第九番ではなく、ヘンデルの「メサイア」にハイドンの「四季」「天地創造」、それからチャイコフスキーのバレエ「くるみ割り人形」などが一般的です。

オラトリオとは?

オラトリオとはオペラとは違い動作、衣装、背景などは用いない宗教的な題材による叙事的楽曲です。

わかりやすくいいますと独唱、合唱、オーケストラなどを使用して、宗教上の物語をわかりやすく伝えるための音楽作品で、本来は教会の祈祷室(オラトリウム)で宗教的道徳的内容の歌詞を叙事的に表現した音楽であります。

よってオラトリオである「メサイア」は、本来教会で演奏されるべきの音楽なのです。

しかし当時のオラトリオは教会よりは大規模なオペラ劇場で演奏されるのが主流でした。

よって「メサイア」も作曲当初から大規模劇場での上演を前提に作られます。

ですので、形式や歌詞の内容は宗教的でも、舞台装置や歌手の演技のないオペラという感じです。

バッハのマタイ受難曲、ヨハネ受難曲と並ぶヘンデルの宗教的作品 「メサイア」ですが、タイトルは「メシア(救世主)」の英語読みに由来し、歌詞は聖書から取られ、イエス・キリストの生涯を題材とした独唱曲・重唱曲・合唱曲で構成されています。

演奏時間は2時間半を要する大曲です。

ヘンデルのオラトリオ「メサイア」は、全部で3部構成。

「ハレルヤ」は第2部の第23曲目に当たります。

オラトリオ「メサイア」:ハレルヤ・コーラス

ハレルヤ・コーラスを訳すと、

ハレルヤ、全能者にして主なる我らの神、ハレルヤ。

この世の国は我らの主と、そのキリストとの国となった。

主は代々限りなく支配されるであろうハレルヤ。

王の王、主の主、主は代々限りなく支配されるであろう、ハレルヤ。

ハレルヤという言葉は、ヘブライ語(イスラエルの言語)で神を賞賛という意味であり、旧約聖書に登場する神様をほめたたえよという意味です。

メサイアの歌詞は聖書から採られているわけですが、あの「ヨハネの黙示録」から採られているそうです。

「ヨハネの黙示録」は『新約聖書』の中で唯一預言書的性格を持つ書です。

その「ヨハネ黙示録」とは、パトモス島のヨハネによって書かれた黙示録は恐怖に満ちた内容であるため、長い間“異端の書”として扱われ、聖書の正典に含めるか否かで物議を醸したほどの問題作といわれています。

作曲者のヘンデルは、聖書の中の「かっこいい言葉だけ」を引用しているという話もあります。

『ハレルヤ』がスタンディング・オベーションの由来!?

ロンドンの国王ジョージ2世(1683-1760)の前で、ヘンデル「メサイア」が初めて演奏した時ハレルヤコーラスの素晴らしさに感動したジョージ2世が立ち上がって拍手を送り、その行為に周りの観衆もつられて立ち上がって拍手を送ったエピソードがあります。

このエピソードが、今日のスタンディング・オベーションの由来とされています。

まとめ

音楽史でバロック時代は、人間精神の変化と社会的な情勢の変化を受けて、次のフランス革命による近世的な人間性への目ざめ、つまり、個人としての人間が確立されていくまでの、過渡的な時代でした。

同じように音楽もまた、近世音楽への準備的な時期であるといえます。

いいかえれば、私達が現在親しんでいる音楽のさまざまな要素がこの時代に作られるのです。

ヘンデルは、次の古典派音楽につながるホモフォニックスな曲も作曲しながらも教会音楽であるオラトリオを時代に合わせ変化させ、大衆を魅力させながらバロック音楽を伝えました。

それにしてもヘンデルの仕事量は、並大抵ではなかったそうです。

その甲斐もあってか、ヘンデルの気力、体力、そして創造力の結晶が膨大な楽曲として、現代、私達の前に現れました。

新しい曲を生み出す傍バロック音楽も大切にしたヘンデル

幸運にも今私たちはその曲を享受することができるのです。

それでは最後まで読んでいただきありがとうございました。

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